「鮎の塩焼き」と「炭火 鮎の塩焼き」ではどちらが美味しそうでしょうか?
きっと「炭火」とついた方を選ばれたことでしょう。
炭火のそばに、串に刺さった鮎の塩焼きが並び、ジュウジュウと音をたてながら焼かれている情景は思い浮かべただけで、食欲をそそります。
ガスや電気のグリルが進化した現在でも、ミシュラン星つき店をはじめ、こだわりを持つ多くの料理店で炭火が使われ続けいるのには理由があります。
ガスで焼いた魚はどうしても水っぽく風味が劣ります。
理由はガスが燃焼すると水分が発生する特徴を持っているからです。
電気グリルの場合、ガス臭さはなく、パリッと焼けますが、食欲をそそるあの炭火焼きの香ばしさはなく、どこか味気ない仕上がりになります。
一方、炭火は燃焼時、水分を発生しないことから、表面がパリッと仕上がり食材本来の風味が引き立ちます。
また食材の脂が炭に落ちることによりミスト化し、食材を包むことで、炭火焼き特有の香りが生まれます。
加えて、炭火の中でも備長炭はうちわ1本で火力調整が自在です。
・じわじわと火を入れたい時
・一気にパリッと仕上げたい場合
など、うちわで送る空気 (酸素)の量を変えるだけで、火力は焼き上がりのイメージに合わせて変幻自在です。
炭を焼き台や七輪に敷き、その上に網や串を渡して魚を焼く場合、魚から出た脂が炭に落ちることがよくあります。
この時、炎が上がってしまうと表面は固く、焦げ臭くなり、せっかくのお魚が台無しです。
硬い炭は炎が上がりにくいため焦げにくく、じっくり火入れが可能です。
例外として、囲炉裏など炭の周りに串に刺した魚を立てて焼く場合などは、脂が炭に直接 落ちないため、柔らかい炭の使用も可能です。
食材の中でも、焼き魚は繊細な風味が求められることから高純度の炭が求められます。なぜなら純度の高い炭は、燃焼時に嫌な匂いや煙が少ないからです。
良い炭できつね色に仕上げられた焼き魚は、頬張ると優しい香ばしさ広がり、魚の旨味を格段に引き立てます。
仕上がりにムラのない良い炭は、安定した火力が持続します。
突然火力が上下することがなく、食材と対話するような火入れができることから料理人の探求と、理想の焼き上がりに応えます。
量販店で売られているバーベキュー用の炭で魚を焼いて、あっという 間に魚が真っ黒になってしまったご経験がある方も多いと思います。
そういった、【黒炭(くろずみ)】の中でも質の低いものは、火はつきやすいですが、炎があがりやすく、イヤなニオイもあり、魚料理にはおすすめできません。
それは黒炭に限ったことではなく、備長炭やおが炭においても同様で、キモになるのは炭としての純度の高さです。
海外産の安価なおが炭は、国産の【備長炭仕上げのおが炭】と比べどうしても炭としての純度が低く、灰が多く、火力が安定しないことも多いです。
純度の高い備長炭やおが備長炭でも、細かったり、短すぎるサイズは空気と触れる面積が大きく、火力があがりすぎ、炎があがりやすい傾向があるため注意が必要です。
魚料理に適した炭は【白炭・備長炭】または【備長炭仕上げのおが炭】です。
備長炭は火力調整がうちわ1本で自在なのが大きな魅力です。
おが炭と比べ高価ですが、魚から落ちた脂が炎になりづらい特徴があります。
炭に脂が落ちて、魚が炎に包まれることが少なく、これを「無炎(むえん)燃焼」と言い、炭火の特徴の一つです。
脂は瞬時にミスト化し香ばしい煙となって、食材を包みます。
※もちろん、脂の量や炭の状態によっていは炎が上がることがありますが、他の炭と比べる と炎は非常に少ないと言えます。
おすすめ商品
・土佐備長炭 備丸
・土佐備長炭 備割
・ラオス備長炭 上丸
・ラオス備長炭 丸
・ラオス備長炭 上割大
「備長炭仕上げのおが炭」は、おが炭のうち特に高温で製炭されたもののことを指します。
硬く、長時間燃焼する特徴が備長炭に似ていることから、おが備長炭などとも呼ばれたりします。
備長炭仕上げのおが炭は低温で焼かれたおが炭に比べて、
・燃焼時間が長く
・不純物が少ない
・炎が上がりづらい
などの特徴があり、多くの料理店で利用されています。
おすすめ商品
・ニシキ備長炭
・平安備長炭(青)
・こがね炭1級
上記を参考に、炭の火力と焼き上がりの美味しさ、炭の燃焼時間とお店の営業時間、炭のコストなどについて検討しながら、お店にあった炭を選んでみてください。
朝内燃料では、100種類以上にも及ぶ炭それぞれの個性と持ち味を理解し、見極めながら、料理に適した炭、「料炭」をご提案します。
「良い炭」はぜひ朝内燃料でお選びください。